今回のキュンパス旅は、3月3日から2日間で秋田県を観光する。1日目最初の観光名所は田沢湖。天候状態により変更することも考え、秋田駅までの指定席特急券を予約した。2日間用は指定席が4回利用できる。2日間新幹線に乗れて、18,000円で秋田県観光ができるのは、鉄道旅行好きには感激だ。

大宮駅を出発するこまち号は7時57分発だ。この新幹線ははやぶさ号を連結するはやぶさ・こまち号。この3日後の3月6日、走行中に連結部分が外れ、運転を見合わせ以降しばらく連結する新幹線の運行を中止した。トラブルが起こる前の旅行で良かったとつくづく思った。

この日は朝から雨。翌日は雪の予報で関東地方は2日間とも天候が不順。秋田新幹線こまち号が大宮駅に滑り込んで来る。

3月上旬の月曜日というのに座席は満席。キュンパス効果だ。

最初に降りる駅は田沢湖駅。去年キュンパスひとり旅で来た駅だ。去年より雪が積もっている。

田沢湖駅では夏に開催される田沢湖・龍神まつりで使われる辰子龍・八郎太郎龍が迎えてくれる。

田沢湖駅で降りる人多数。キュンパス民が自分らと同じく田沢湖散策に訪れるのだろう。

関東地方は雨だがこちらは曇り。午後からは晴れの予報だ。

田沢湖には昨年も来たが、その時はバスで田沢湖駅と田沢湖畔を往復しただけだったが、あとになって田沢湖1周巡りができる路線バスがあることを知った。バスは羽後交通で運行している。田沢湖駅から途中たつこ像がある潟尻と、御座石神社がある2カ所のスポットで散策タイムが設けてある。散策コースのあるバス1周線は1日3便で、1周およそ1時間30分。乗車運賃は1,210円。
経路は田沢湖駅〜田沢湖畔〜潟尻(散策20分)〜御座の石(散策10分)〜田沢湖畔〜田沢湖駅。10:35発 13:25発 15:25発
▼田沢湖1周路線バス。田沢湖駅を発着する。

バスの車内は田沢湖散策する客でいっぱい。1台では足らず2台で運行。

潟尻に到着。雪深く停留所が埋まっている。ここで20分間バスが待機し、周辺を散策する。

日本一の深さを誇る田沢湖は、火山の噴火で出来たカルデラ湖。田沢湖には龍に変身させられた、たつこの伝説があり田沢湖のシンボルであるたつこ像がある。
▼田沢湖。コバルトブルーの美しい湖面の淡水湖。水深423.4mは日本一深い。

田沢湖が田沢潟と呼ばれていた頃美しい娘、辰子がいた。辰子はその美しさと若さを永久に保ちたいと、大蔵観音に百日百夜の願いをかけた。満願の夜に「北に湧く泉の水を飲めば願いがかなうであろう」とお告げがあり、辰子は泉が枯れるほど飲み続けた。時が過ぎ、気がつくと辰子は大きな龍になっていた。龍になった辰子は、田沢潟の主となって湖底深くに沈んでいった。

一方八郎潟の龍神八郎太郎の元に鴨が渡り、辰子姫が会いたがっていることを伝える。八郎太郎は田沢湖に向かい、幾多の困難を乗り越え辰子に会うことが出来た。以後八郎太郎は冬になると、田沢湖で辰子と暮らすようになり、冬の間主のいない八郎潟は凍りつき、田沢湖は冬でも凍らない湖となった。

漢槎宮は浮木神社、潟尻明神ともいい、1769年秋田藩士益戸滄洲によって漢槎宮と命名され、この田沢湖のことを漢槎湖、あるいはただ槎湖と呼ぶようになった。拝殿正面に掲げられた漢槎宮の扁額は滄洲が遊覧のおり、船頭をつとめた少年斉藤千太郎に書き与えられたものである。
▼漢槎宮(浮木神社)。白木づくりの現代的な社殿。流れついた浮木を祭っている。

御座の石神社前で10分間の散策。


御座石の周辺見どころMAP。

湖畔にたたずむ、朱色が際立つ御座石神社の鳥居。天気が良ければ青い湖と朱色のコントラストが美しい光景が見られる。

▼御座石神社。田沢湖畔の名勝に鎮座するたつ子姫を祭る神社。

自らの身を湖に沈め、永遠の美と若さを祈願して鏡に化身したたつ子姫は美の守り神として御座石神社に永遠に鎮められた。他のたつこ像と異なり下半身が蛇体となっている。顔は永遠の美を求めたことを、後悔しているような悲しげな表情だ。
▼たつ子姫像。御座石神社境内にあるこの像は1981年に奉納された。
▼御座石神社拝殿。古来湖水に身を清め、たつ子姫を信仰すれば美しさと若さが益々光り輝くと言われ、パワースポットとして知られている。

御座石は湖畔にござを敷いたような平坦な岩場。御座所の石。秋田藩主佐竹義隆公が1650年頃に、この岩場に床机を据えて、田沢湖の景色を眺めたことからついた名前と言われている。
